店舗と住宅の庭          (愛知県豊橋市Carino Cane)


施工前


敷地内に店舗と住宅があり、店舗は現代的な洋風建築、住宅は昔ながらの和風建築です。庭の木は刈込物が多くいかにも和風な感じです。たくさん大小さまざまな石があり、草をとるにも、芝を刈るにも苦労されていたようです。

手入れが楽で、鬱蒼としているイメージを変えたいとのことでした。


施工中


工事箇所がたくさんあるので、住宅側の主庭を一期工事、店舗玄関側の前庭を二期工事と分けて入らせていただきました。

たくさんある木を間引いて、使える木を移植しました。たくさんある石も積んだり、敷いたりして再利用しました。


施工後


 前庭は、店舗と住宅を分けるように設計しました。住宅のリフォームの際に出た壁土をストックしておいてもらい、土塀を作り、土塀を境に店舗と住宅を分けました。

 店舗側は洋風なイメージでしたので、店舗の壁に使われていた石材と同じ物を使い、店舗と雰囲気をあわせました。既存の樹木を生かしつつ、フェイジョア、ブルーベリーなど、洋風なイメージに合うような木を植え、店舗の印象に近づけました。お施主様は、ガーデニングがお好きな方ですので、自由に草花を植えていただき、楽しんでもらいたいと思います。

 住宅側は大きな松や椿などあり、建物も含め完全に和風ですので、そのイメージに合わせるように設計しました。アプローチを広めにとり、余裕を持って通れるようにし、先々を考え、車椅子でも通れるように段差もなくしました。既存の樹木を生かしつつ、店舗側から見た土塀の屋根越しに見える大きな木は、店舗側のイメージと同化する様な木を植えました。アプローチに近い部分は苔を張り、遠いところはセンリョウ、アオキ、アセビなど低木をうえて、下草はヤブラン、シャガ、リュウノヒゲなど、増えて高さが出るものを植えました。アプローチから近い苔の部分は綺麗にしていただき、それ以外のところは、なるべく手をかけなくてもいいようにしました。

 

 主庭は鬱蒼としていたので、既存樹木を間引き、移植をしました。座敷から眺めたときに、縁側に出たときにゆったりとした気分で過ごしてもらいたいと思い、中央に広い芝生の空間を設けました。幸い道路からの距離がありましたので、既存の樹木を移植して柔らかく遮りました。庭にある石はお施主様のお父様が集められたというのを伺っていましたので、ほとんど使いました。大きな石は景石に、小さい石は積んだり敷いたりして使い切りました。

 

お施主様からは、「毎日、庭をのんびり眺めて癒されている。」とおっしゃっていましたので、とても嬉しく思っています。ありがとうございました。